第91回アカデミー賞をシンガポールで予想する~ROMA, Bohemian Rhapsody

第91回アカデミー賞授賞式が、2月24日(現地時間・シンガポール時間は翌25日09:00スタート)にアメリカで開かれる。セレブレーションを観る味わいが10倍増す、チームsg.eiga.lifeによるノミネート作品のソフトレビューを、今年も裏情報を織り交ぜながらお届けする
R:Ryoko 日本で映画宣伝の仕事に約10年携わり、2006年にシンガポールへ。以来、フリーランスで映画批評やエンタメ記事の執筆、SNSの映画マーケティングなどを手がける。「生きているうちに、見るべき映画を見る」がモットー。
A:Anne ヨーロッパ作品ならではの心の機微の描き方、笑いの感覚がが特に好き。一方でIRONMAN(アイアマン)は不動のフェイバリット。東京の映画メディアや女性誌でのキャリアを経て、現在はシンガポールに。
映画ならではの味が濃く出た良作ぞろい

R: ラインナップを改めてみたら、いい作品ばかりで驚き。去年の作品省受賞作ももちろん素晴らしいけれど、あの作品って、好きじゃないとは言いにくいテーマでもあったでしょう。そういう点で優位性もあったというか。今年は、映画らしい味がしっかり出ている良作ぞろい。

A: 私はもう、ROMAが作品賞だと思っています。部門賞ノミネート数もさることながら、テーマがアカデミー賞と相性がいい。アカデミー賞って、社会性が入った映画が獲りやすいですよね。そこはしっかり当てはまるし、アート性も娯楽性もある。

Netflix映画に対してアカデミー賞がどう出るか

R: Netflix映画なんだよね。そのポジションに対して、アカデミー協会がどういう立場をとるか。2017年に同じくNetflix製作のOkjaがカンヌ映画祭にノミネートされた際、物議をかもしたことを思い出させる。審査委員長だったペドロ・アルモドバルが「個人的に、映画館で公開されない映画にはどんな賞もあげたくない。映画とは大きなスクリーンで観るべきものだ」という声明を出して、ネット配信と劇場の対立構造が色濃く浮かび上がる事態になって。

カンヌ映画祭が開催されるフランスでは、映画はまず映画館で公開し、その後ストリーミングサービスを行わなくてはいけないという法律があるの。アメリカのアカデミー賞はどう出るのか、注目したいポイントだな。
A: Netflix映画であっても、本当に素晴らしい作品であれば賞を与える、という態度を取ることで革新的な面を見せられますよね。「アカデミーすごい」と世にインパクトを与えるメリットもあるんじゃないでしょうか。その観点から考えても、ROMAに作品賞をあげちゃうんじゃないかなと思います。
R: 外国語映画部門でもROMAはノミネートされているけれど、作品賞で取るのが濃厚かな。
A: なんか、旧来の映画業界からNetflixに人材が流れてるのを感じます。じゃないと大物監督とかとすぐ組めないですよね。
R: 監督自身はきっと作品を撮るということを第一優先と考えているのだと思う。勢いがある上に予算もしっかり出してくれそうだし。
A; フレキシブルそうですしね。

10枠に対して8つが作品賞ノミネート

R: 作品賞のノミネート数が、2009年から10本になったけれど、個人的にはもっと少なくていいんじゃないかと感じる。2008年までの5本から一気に倍。 今年は8作品選ばれてる。
A: 5本じゃ少ないと思って10に増やして、でも10枠は多すぎだっんですかね。7本くらいがちょうどいい気もします。

話題作Bohemian Rhapsodyの行く末は

R; Bohemian Rhapsodyは主演男優賞撮るだろうな。
A; 私もそう思います。
R: クイーンを好きだった人にはもちろん嬉しい映画だし、知らなかった人にも魅力を発見させてくれる。周りで「あれもクイーンの曲だったんだ!」って言ってる知り合いが多かった。
A; ラミ・マレクが裏話を明かしているアメリカのトーク番組をいくつか観たんですけど、役作りのために歌のレッスンを受けたりしたそうなんです。振付師も最初つけたけど、途中で「フレディ・マーキュリーは、型にはまった振りをする人じゃない。その場の思いつきで動くんだ」と気づいて、別のコンテンポラリーダンス系の動きのレッスンに切り替えたと言っていました。確かにそういう動きが役の大きな特徴ですよね。

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