寺島しのぶマリーナベイサンズで舞台挨拶“実生活の思い反映”

11月23日に開幕した第28回シンガポール国際映画祭のスペシャルプレゼンテーションプログラムとして、30日、日本映画「Oh Lucy!(オー・ルーシー!)」がマリーナベイサンズにて上映された。

本作は、姪が前払いした英会話を代わり受講したことにより、冴えない独身OLの節子の人生が急転換していく様を、ブラックユーモアたっぷりに描いたドラマ。ニューヨーク大学大学院映画制作学科(Tisch Asia)在籍時に、シンガポールに在住していたこともある平柳敦子監督、主演・節子を演じた寺島しのぶ、姪役の忽那汐里が、上映前の舞台挨拶に登壇した。

平柳監督は、大学院の修了作品として本作のもとになった21分の短編「Oh Lucy!」を製作。節子役を桃井かおりが演じた。その短編がカンヌ映画祭をはじめ、世界中の映画祭で高い評価を受けたおかげで長編化が実現したということだ。

平柳監督は10代の時交換留学でアメリカに渡り、一時は俳優も目指した。英会話初心者の節子と講師の不思議なやりとりや、主人公が旅先のアメリカでとまどう出来事など、「英語が話せない状態で、アメリカに行った時の自分の体験がもとになっている部分もある」と明かした。

寺島は文化の違いに直面する主人公を演じているが、と「同様の経験はあるか」との質問に対し、「主人がフランス人で、フランスでは、パーティーはゲスト全員にキス、キス、キスで始まり、最後にも全員にキス、キス、キスで終わるという習慣。握手が礼儀の日本人に比べて、ヨーロッパ人は人との距離がすごく近いと感じる」とコメント。英語教師とハグしたところから何かが芽生えてしまう節子の役に、実生活での思いを反映させながら挑んだとも述べた。

日系オーストラリア人3世で同国で生まれ育った忽那汐里は、日本で生活し始めた時に馴染みにくさを感じたといい、「自分の一部分が描かれているようで、特別な思い入れがある映画」と語った。さらに、「人生について、誰でもここではない別の場所に身を置きたい、という思いを持ったことがあるはず。そんな気持ちをうまく表現してくれている」とも加えた。

「見終えた後観客にどんな気持ちを抱いてほしいか」という問いに平柳監督は、「ラストシーンに、希望の可能性を見出してもらえたらと思う」と回答、会場を熱くした。(text: sg.eiga.life編集部)

「Oh Lucy!(オー・ルーシー!)」

監督・脚本・製作:平柳敦子

出演:寺島しのぶ、ジョシュ・ハートネット、南果歩、忽那汐里、役所広司

2018年シンガポールで一般公開予定